セルフケアを支える組織と社会資源施設の看護では、入院患者その人のセルフケアをめざしている。
しかし、セルフケアを成功させる要因は、看護援助の如何ばかりでなく、その人をとりまく家族の態度や回復を待つ心が患者の自立に向かう動機を促進し、自立獲得の成否に影響する。
したがって、看護師としては家族のもっている機能を有効に活用することも必要である。
また、一応の自立が図れても、家族の機能に期待したセルフケアの見とおしがたたない限り、在宅でのケアに移行することができない場合もあろう。
特に、訪問看護においては、家族ぐるみのセルフケアをめざさなくてはならない場合が多い。
しかし、核家族化の進行や、共働き家庭、二人暮らし老人や孤老の場合には、家族機能を代行する機能が必要となる。
家庭奉仕員や家事援助者、入浴サービスやデイケアなどの制度を知ったうえで、その患者と家族にとって最もふさわしい形でのサービスの活用を考えなければならない。
患者や家族にとっては、そうした活用しうる資源のあることさえ知らない場合もある。
ケースワーカーとも緊密な連絡をとりながらどのような資源をどのようにして活用すべきかについての具体的な方法まで指導すべきである。