看護師と交流

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

ある大病院から退院した患者について保健所からの依頼で訪問看護をすることになった看護師が、入院中のケアの内容について当該病院の看護師長に問い合わせの手紙を出したら、主治医からの一片の依頼状が来たが、看護師からの連絡は何もなかったという。

入院中の患者が退院したあと、どのようなセルフケアを、どのような資源の活用をして行っているかについて、温かい心のこもった関心を寄せることもまた、セルフケア継続の条件ではないだろうか。

現在のシステムの範囲にとどまる限りでは進歩の方向を見出すことはできない。

また、セルフケアを継続するうえで、大きな力となっているのが種々の患者会組織である。

時には医療専門職への期待以上のものをもって、こうした組織に集まり、相互の情報交換や闘病体験の交流を図っている。

そのことが患者や家族間の連帯を深めると同時に、諸制度の実現に向かう力ともなっている場合もあり、看護師としては、こうした組織への関心を深め、共に学んでいく姿勢が大切である。

なお、セルフケアの推進を組織的に行っている医療生活協同組合の運動からも、セルフケアシステムを考えていくうえで学ぶ要素は多い。

「住民が医学の成果を暮らしに生かす努力、自らの健康管理を自主的に行う」ということで、10世帯前後の組合員が班を作って、予防であれ闘病であれ、自分の身体は専門家の指導のもとに、自分で自覚的に管理することを基本に、様々な生活点検や健康調査活動を行っている。

高血圧予防のための"うす味"の食生活のための"塩味テスドと血圧測定を組み合わせた独創的な活動や、一週間に一回、六~七回で卒業できる保健講座など、漫画やスライドを使った楽しい学習のプログラムもあるという。