看護師の職能団体である日本看護協会は、かなり前から准看制度の廃止を訴えてきました。
それは、准看制度が始まった最大の理由である「看護職の不足を補う」という点では、すでに看護職不足は解消されつつあるということと、社会からは質の高い看護が求められているということによるものです。
その一方、日本医師会は「地域医療を支えているのは准看護師だ」としていまだ制度廃止には反対の立場をとっています。
その背景には、看護職を雇う開業医からすると准看護師だと人件費が削減できる、また、看護職を自分の指示通りに動かすには独立した立場からの主張や提案をする看護師は扱いにくいといった本音も見え隠れします。
厚生労働省では准看護師の実態を調査し、最終的には廃止する方向で現在検討会を繰り返していますが、まだ結論が出るまでには時間がかかりそうです。
看護職としての学習時間が明らかに少ない准看護師へのニーズが減っているという見方がある一方で、存在意義は大きいという声もあります。
いずれにせよ、准看護師制度を正しく理解し、今後社会から求められる看護職の有り方をみんなで考えることが大切でしょう。