結婚前の子どもにも大人にも、人間関係をもつことに慣れず、苦痛を感じる人が少なくない。
親のもとでじっとしているのがいちばん楽だと感じ、分離不安から逃れられない。
独り立ちして考え、行動すること、セルフレギュレーション(自己規制)が不得手な人たちが増えている。
こういう状態では、配偶者といっしょになろうという気力は出にくい。
仮に結婚したとしても、外で仲間との関係がうまくつくれない人は、家に帰っても配偶者べったりになりがちである。
これでは、配偶者の一方的な負担を招くばかりである。
好き嫌いの感情が主となる恋愛は可能だが、結婚するための条件に欠けているといわなければならない。
それほど深刻ではないように見えるが、きちんと親離れしないまま過ごしている顕著な例がある。
それは母親と娘がいつもいっしょに行動する関係である。
結婚しても、なかなかこの関係から抜け切れないのである。
何かと母親のもとに帰っては、お茶を飲み、食事をともにし、総菜をもらって帰る。
相変わらず、ショッピングといっては二人で出かけて行く。
本人たちはごく軽い気持ちで、それほど根は深くない。
はた目からもとくに問題はないように思える。
だが、やはり彼女は自立していないのである。
いずれ何らかの問題に発展しないとも限らないから、そういう傾向のある人は早めに自己チェックし、改めたほうがいい。