看護を近代的な専門の職業分野として確立した人という意味で、"看護師の母"と呼ばれたりもします。
看護の歴史と歩みを振り返ってみましょう。
ただし、大ざっぱに、かつ大急ぎで。
太古、人類は生まれた瞬間から病気や死の恐怖とのたたかいだったにちがいありません。
宇宙や大自然の驚異の前に恐れおののき、そこに"神"や"人間の力を超えるもの"を感じたとしても不思議はありません。
しかし、太古の人たちも、病気やけがに対して手をつかねていたとは思えません。
長い経験や古老の伝聞から、さまざまな治療法や、薬草など自然の医薬品を使っていたに相違ありません。
さらに、病気になったら休むこと、人間には自然に治る力があること、肉体と精神のかかわりなども、経験からちゃんと知っていただろうと思います。
それでも重い病気やけがに対しては、どうすることもできなかったでしょう。
科学技術や科学的認識というものが存在しない時代のことですから、呪術や占いなども大いに幅をきかせていたものと思われます。
そんな太古の時代に看護が存在したかどうか、なにぶん記録がないのでわかりませんが、私は人間がいるところには当然、家族や肉親の思いやりや介護は存在しただろうと思うのです。