日本では、100年前まで看護師は男性の仕事だった

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みなさんもおなじみの赤十字のマークは、スイスで条約が締結されたのを記念し、スイス国旗を裏返したものだそうです。

つまり、赤地に白十字の国旗を逆にしたというわけです。

当然ながら赤十字社の活動は、高度に訓練された看護技術を必要とします。

そこで、赤十字社自体が、独自の看護師教育を開始しました。

デュナンの赤十字精神は、ナイチンゲールの看護制度と結びついて、各国に広がりました。

医療制度だけではありません。

保健衛生の思想や教育組織にまで及び、今日のWHO(国際保健機構11一九四八年に発足した国連の専門機関)の原型としても、また、看護という事業の根本的な考え方としても大きな影響を残しました。

一方、日本の看護史の開幕は仏教の伝来した飛鳥時代に始まります。

そして、医学が真に学問として独立し、仏教的色彩を捨て去る江戸時代まで、日本の医療と看護は常に仏教の消長と深いかかわりを持って変遷しました。

ですから、明治時代までの社会的な看護は、ほとんどが僧侶、しかも男性が行っていました。

現在のように女性の職業として確立したのは、ほんの一〇〇年前のことです。