日本の近代的な看護は、明治時代に始まりました。
一九六八年、明治維新が成立します。
当時のいきさつは、NHKの大河ドラマ『翔ぶが娃く』などで・みなさんもご存じでしょう。
明治初年から内乱があいつぎます。
なかでも新潟の長岡での戦争、会津の白虎隊で知られる東北戦争、さらに旧幕府海軍副総裁の榎本武揚が軍艦八隻を率いて北海道で抵抗......など、官軍に反旗をひるがえした戦争です。
どの戦争でも、じつに多くの人が死んだり傷ついたりしました。
ここで初めて看護師が組織され、救護に活躍します。
函館や福島には野戦病院もつくられました。
戦傷者を収容する軍隊病院もつくられました。
現在の東大医学部付属病院も、前身は、横浜につくられた軍隊病院の本院を移した「東京府大病院」です。
日本の看護制度が、このあと、常に戦争と結びついて発展してきた事実は、しっかりと覚えておく必要があると思います。
当時の官軍の兵士は乱暴で、医師や看護師のいうことなど、まるで聞かなかったそうです。
ですから軍病院では、看護師といっても、普通の婦人で応募する人など、ほとんどいなかったのです。