女性の労働者はふえました。
1960年代には、「BG(ビジネスガール)」、一九七〇年代には「O」(オフィスレディ)Lなどと呼ばれる女性労働者は、四五〇万人にも増加しました。
これまで農業や家内労働に従事していた女性たちが、企業に雇用される労働者に変化していったわけです。
ところが、一九六〇年代から一九七〇年代には、女性の労働率(一五歳以上の人口に占める就業者および失業者の数)は、年々下がり始めます。
人口が都市に集中して、核家族の"サラリーマン世帯"が急増する中で、出産・育児期の二〇代後半から三〇代の働く女性がへっているのです。
へり続けた女性の労働率は、昭和五〇年代になり、ふたたび上昇傾向を示します。
これは四〇代以上の中高年女性が働き始めたためです。
昭和五八年の働く女性は二二六三万人。
男女合わせた就業者全体の、じつに四割弱にも及んでいます。
高度経済成長期にはへる傾向を見せた働く女性が、ふたたび上昇し、働く人のおよそ四割が女性で、その七割が既婚女性だという時代を迎えたのです。
一九八八年度の「婦人労働白書」では、女性の就労者は一六一五万人で、専業主婦の数を大きく上回っています。