なぜ女性の就労率が上昇しているのでしょうか。
その理由は、何より戦後以来の女性の「ライフ・サイクル」が大きく変化したことにあると思います。
日本人の平均寿命は、急速に伸びました。
"人生六〇年"といわれていたのが、"人生90年"の時代になってしまったのです。
経済力や家の大きさの問題もあってでしょうが、加えて計画出産、少産傾向がいきわたり、一家の子どもの数は一人から二人が普通です。
子育てに費やす年月は、どんなに長くても、せいぜい二〇年。
人生なかばの四〇歳前後で、子どもはすっかり親の手を離れてしまうのですから。
一九九〇年版の「婦人労働白書」によれば、一九八九年の女性労働者の伸びは、じつに史上最高、働く女性が全就労者の三分の一を超えるにいたっています。
じつに労働者総数の三七・四%が女性なのです。
ただし、増加数の約半数が四〇歳代。
中高年齢層のパート労働が伸びていることが特徴です。
また、その賃金が、男性の半分であることなど、いぜんとして大きな格差があることも知っておく必要がありそうです。
みなさんは、そんな時代を生きていらっしゃるわけです。
これは、女性にとって大いに誇るべき、歓迎すべき時代だと私は考えています。