食事が終わってデザート・コースにはいると、また、司会者が立ちあがって、祝辞の再開を宣します。
そのころは、客のあいだに酒がまわって、座もだいぶざわめいているわけですから、司会者は開宴の挨拶のときと同様その周囲にいる世話役や親戚などに、司会者が立ちあがったら、拍手をしてもらうようにするとよいでしょう。
その拍手で座がしずまったら、司会者は、一礼して、「それでは、これからみなさまに、新郎・新婦の門出を祝って、お言葉を頂戴いたしたいと存じます。
はじめに、新郎の高校時代の恩師である××高等学校校長、○○先生にお願いいたします」というようにその日の主賓に次ぐ来賓を指名します。
そして、その来賓の祝辞が終わったら、司会者は、「たいへん興味ぶかい(あるいは、有益な)お話をおきかせくださいまして、ありがとうございました」というように、その来賓の話の内容に適当した謝辞を述べ、「次に、新婦が最近まで勤めておられました××株式会社の総務部長、○○氏にお祝辞をいただきます」というように、次の来賓を指名してゆくわけです。
司会者が、来賓に祝辞を依頼する場合、「次に、○○氏にお願いいたします」などと、名前だけをいう人がありますが、これは、上手な司会のしかたとはいえません。
なかには、名字をきいただけで出席者全員が、ああ、あの人かとうなずくような知名な人もいることもありましょうが、なかには、大部分の人がはじめて名前を聞く人も多いのです。
ですから、司会者は、新郎や新婦とどういうかかわりのある人なのか、全員が理解できるような紹介のしかたをすることがたいせつです。