来賓の祝辞には、訓話型・エピソード型・前二者の混合型、それに、ユーモア型など、さまざまの型があります。
そのうち、開宴の冒頭に行なわれる主賓の祝辞は、どちらかというと、まじめな訓話型・混合型のほうが望ましいといえますが、再開後の祝辞は、酒がはいったあとでもあり、会場の空気をなごやかにするためにも、なるべく固苦しい話は避け、同じく訓話型>の祝辞を述べるにもユーモラスに話をすすめたり、新郎新婦の好ましい人柄のあらわれた〈エピソード型〉の祝辞を述べるようにしたいものです。
そのためには、司会者も、たとえぽ、新郎の勤務先の上司の祝辞のあとでは、「たいへんお心のこもったお祝辞をいただきまして、ありがとうございました。この機会をお借りして、新郎のサラリーをあげてやってくださるようにお願いいたしておきます」などといって、満場の笑いをさそったり、固苦しい話のつづいたあとでは、「このへんで、ひとつ、新郎新婦のそもそもの馴れそめから知っていらっしゃるお友だちの方から、お二人の秘中の秘といったお話をお聞かせ願いたいと思います」などと水を向けて、明かるい話題をひきだすように努めることも必要だといえます。